さて、世の中コロナウィルスに関するニュースがたくさんあります。本物の情報もありますが、偽物の情報も残念ながらあります。もっと残念なのは、偽物の情報を信じてSNSで拡散してしまうことです。熊本県の副知事など、フェイクニュースを信じて拡散してしまったという話もありました。今回はフェイクニュースを見破る方法について述べます。
参考(西日本新聞):https://www.nishinippon.co.jp/item/n/600589/
・こんな情報がSNS上で拡散されていました。
記事の内容は「日本のコロナウィルス感染者の半数が外国人」というものです。しかも、情報源として「厚生労働省」のホームぺージを引用していました。情報元には、コロナウィルス感染者の国籍内訳が記載されていました。そこには大体日本国籍:4000名程度、外国籍:100名程度、そのほかは不明と言う風に記載されていました。この記事を拡散した女性は、「国籍が不明なわけがない、マイナンバーカードやパスポートですぐわかるはずだ」「厚生労働省は事実をひた隠しにしている」というようなことを記載していました。この情報は拡散され、ほとんどの人が彼女に同調するようなコメントを書いていました。
・大事なのは「考える」ということ
まず大事なのは、その情報が本当かどうか信ぴょう性を疑うことです。よくよく考えてみてください。なぜコロナウィルスの感染者の約半分が外国人なのでしょうか。日本にいる外国人の数はよく言って数%なのに、なぜ半数になるのかまず不思議に思います。また、国籍不明=外国籍というのもおかしいです。上記のようにすぐにわかる情報であれば、不明と書かないはずです。何等かの理由があるのでしょう。こうなると、この記事の信ぴょう性が疑われてきます。

・結論から言うとこの記事はフェイクニュースでした。
少し調べるとこのニュースがフェイクニュースだということがわかりました。別の記事で、この記事のことが取り上げられ、厚生労働省に連絡すると、「1.感染者のうち、半分が外国人というのはデマ、2.国籍が不明なのは、調べてくれた地方自治体によっては感染者の国籍についてのデータはなかった」ということでした。個人的には予想通りだなと思います。

・大事なのは「考える癖」をつけること
物事の正しい、正しくない、を考えるとき、論理的に考えられているでしょうか。よく、「先生がいったから」「校則だから」で終わらせてしまう人がいます。しかし、その先生や校則は論理的に考えて正しいのでしょうか。こうした権威に従う方法を取っていると、今回のようなフェイクニュースに騙されます。身につけるべきものはCritical Thinking(批評的な考え方)です。その情報は本当に正しいのか、その情報をサポートするデータは信ぴょう性があるのか、そういったことをニュートラルに考えられる人間にならないといけません。そういう人間になるためには、日頃から考える訓練をしないといけないでしょう。

・考える練習ってどんなもの?
まずは、テーマについて、小論文のようなものを書いたり、話し合ったりすることが挙げられます。テーマは例えば、「結婚相手は見た目か中身かどちらを重視して決めた方がいい?」というようなものです。どちらが答えでないといけないというものはありません。しかし、どちらかを選ぶにしてもそれを支える根拠や論理を併せて答えさせることが重要です。

・まとめ
最近読んだ本に書いてあったのですが、アメリカで「考える教育」をした高校では、留年率が下がり、進学率も高く、日本のセンター試験にあたるSATのスコアも平均よりも高かったというデータがあります。考えるということが、単純に学習にも役立っていると言えます。子供には是非色々考えさせてあげましょう。
のぶしのてらこや(ホームスクールプラスα 運営会社)
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前職は通信制高校の営業職。教育業で講師としてのの経験が長いが、若い時は営業職を中心に色々な仕事を経験する。前職でホームスクールというものを知り、ホームスクールのことをもっと知ってもらいたいと思い現在こちらのサイト、ホームぺージプラスαを立ち上げる。現状の教育制度から、オルタナティブ教育業界、学習の仕方など、教育に関して色々な記事を書いている。時には辛口記事を書くことも。1児の父で趣味は野菜作り。