先日、BBCの記事でPandemic Podが紹介されていました。Pandemic Podというのは、フェイスブック内にある、アメリカ人の親御さんや教育者が中心になっているグループである。連日報道されている通り、アメリカでのコロナウィルスによる問題は深刻化しており、新学期を迎える9月になっても学校を再開できない州も多いです。しかし、そのような状況になり、親御さんや教育者は当事者意識をもって対応に乗り出しています。今日はそんなPandemic Podについて記載します。
記事(BBC):https://www.bbc.com/news/world-us-canada-53622214
・コロナウィルスに対してある親が立ち上がった。
Pandemic Podを創設したのは、Lian Chikakoさんという方です。名前と容姿からひょっとしたら日系の方かもしれません。Pandemic Podの目的は、コロナウィルスの影響で休校になり、学習の場所を失った子供たちに、各地にPodという、近所の子供を招いた寺子屋みたいな場所を設けることです。最初はカリフォルニアが中心でしたが、徐々に他の州にも活動が広がっています。グループ内では、Podを開く際にアドバイスを求めたり、逆に成功例を紹介したり、と活気に満ちています。実際にコロナ対策も万全で、庭で教室を開いたり、パーティションを設けたりして対策をしています。
・アメリカ人の親は当事者意識が強い。
彼らの素晴らしいところは、コロナウィルスによってもたらされた問題に対して、自分たちが主体性をもって対応してきたことです。親のほとんどが特に教育に精通しているというわけではありません。しかし、Pandemic Podで情報を共有しながら、Podを開き、子供たちが教育を受ける権利を守っています。アメリカの教育者もこの活動に賛同していて、Podの先生を願い出る人も出ています。皆で協力をしあってこの難局を乗り越えようとしている姿はとても立派です。また、学校もこの活動にエールを送っています。
・一方日本人の親はどうだ?
教育関係の会社が一時的に自社の通信教育のシステムを提供したりするなどの動きはありましたが、私が知る限り、日本人の親が、この問題に対して自らが立ち上がって行動したという動きはほとんどなかったのではないかと思います。私は、Pandemic Podの盛況さを見て、とても恥ずかしいと思いました。日本人の親がやっていたことは、クレームしかなかったのではないでしょうか。「早く学校を再開しろ」「なぜe-learningを始めないのか」そのような声のみが聞こえていたように思います。また、仮に自分の子供には問題集を買い与えたりして、何かしらの対応をしていても、他人の子供にも何かしようとした人は正直皆無だったでしょう。
・なんでこんな世の中になったんだろう。
日本の都市部では、近所同士の助け合いというものがいつの間にかなくなっています。私が小さい頃は、隣の人の宅配便を預かるというのは当たり前でした。それがいつの間にかなくなってしまい、今では隣の人の名前も知らないのが当たり前です。私も引っ越した際に、隣の人に「挨拶は不要」と言われたのを思い出します。恐らく原因は、近所に住む嫌な人と付き合いたくないとか、近所の助けが別段なくても生きていける、などがあると思います。それでもこんな時でもお互いに助け合えないというのは寂しい限りです。
・クレーマーの子供はクレーマーになる。
子供は親を見て育ちます。クレーマーの子供はクレーマーでしょう。確かに、何かに対して批評するというのは、かっこよく見えるところがあります。評論家という職業もあるぐらいです。しかし、評論家は結局何も生み出さず、なにも行動しない人達です。そんな人たちは結局、世間では役立たずになります。自分がそんな人になっていないか、今一度振り返るにはいい機会なのかもしれません。
のぶしのてらこや(ホームスクールプラスα 運営会社)
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前職は通信制高校の営業職。教育業で講師としてのの経験が長いが、若い時は営業職を中心に色々な仕事を経験する。前職でホームスクールというものを知り、ホームスクールのことをもっと知ってもらいたいと思い現在こちらのサイト、ホームぺージプラスαを立ち上げる。現状の教育制度から、オルタナティブ教育業界、学習の仕方など、教育に関して色々な記事を書いている。時には辛口記事を書くことも。1児の父で趣味は野菜作り。