なぜN中等部に生徒が集まり、他のフリースクールには来ないのか。

2年ぐらい前に、東京で多くのフリースクールを展開している某NPO法人が主催する会議に出席したことがある。その時に、そこの役員のような人が、「最近新規でフリースクールをやり始めた奴らは宣伝が上手いからウチに全く生徒が来ない」というようなことを話していた。正直「負け犬の遠吠え」に聞こえた。何年か前から大手塾などが、「不登校ビジネス」に進出し始め、不登校ビジネス産業においてもシェアを広げている。特に顕著なのがN中等部ではないだろうか。去年の今頃の話しだと生徒数が800名を超えていた。現在はコロナの影響もあり、通学コースは515名と減ってはいるが、新規に立ち上げたネットコースでは414名(2020年10月現在)と、全体の生徒数を増やしている。ここでは、なぜN中等部が生徒数を増やし、他の不登校ビジネスが全く生徒を得られないのか、について述べたい。




・親会社のバックアップ

ご存知の通り、N中等部は角川ドワンゴが設立したフリースクールである。まず、一般的なフリースクールに比べて資金がたくさんある。資金があれば、宣伝費も多くかけることができる。事実、ネット上でひとまずN中等部を検索すれば、その後しばらくSNS上でN中等部の広告を見ることになる。これは、リスティング広告に力を入れている証拠である。逆に多くのフリースクールはリスティング広告に力を入れていないだろう。

しかし、資金の規模というよりは、むしろ親会社が持つネット営業のノウハウであろう。リスティング広告もバカみたいに資金を出せばいいというものではない。投資をして、それ以上の収益を出さなければならない。当然、N中等部は相当なお金を宣伝費に費やしているのだから、その分相当な反響を成果として出さなければならない。そういう意味で、実はN中等部はまだ赤字なのかもしれない。例えば、N高等学校も収益を出すためには生徒数が10000人を超えなければならないという話しもある。設立当社から必要であるシステムの開設費など巨額な固定費などを考えるとそれも納得できる。N中等部の営業チームは毎日ノルマと戦いながら仕事をしているのだろう。




・「面白い」「カッコいい」「役に立つ」教育の推進

いくら宣伝をしても、そのサービス自体が無用の長物であれば、全く売れることはないだろう。しかし、私は、N中等部の教育はこれまで行われてきたフリースクールの教育と全く違う素晴らしいものであると感じる。N中等部の教育は、国・数・英の基本は抑えつつ、プログラミングやプロジェクトベースの学習といった、文科省でも必要と謳っている教育を、学校以上に行っている。また、コーチングを導入し、希望する生徒には小説製作などクリエイティブな授業も用意されている。

仮に、N中等部が無料で、子供が従来通りの学校かN中等部を選べるとすれば、間違いなく半分以上の生徒がN中等部を選ぶのではないかと思う。単純にN中等部の授業の方が面白そうである。プログラミング一つとっても何となくかっこよさもあるし、将来役に立ちそうなイメージを感じられる。恐らく第一線で働いている保護者もN中等部を勧めるだろう。彼らも、働く上で必要な資質は何かを既に肌で感じていて、それを育んでくれるのは間違いなくN中等部側だと感じるだろう。前述した「最近新規でフリースクールをやり始めた奴らは宣伝が上手いからウチに全く生徒が来ない」とのたまわっていた方の運営するフリースクールよりは、よっぽどN中等部の方が生徒も保護者も納得できる教育を行っていると思われる。




・「不登校=かわいそう」ビジネスは飽和状態か

N中等部以前のフリースクールのイメージは、「卓球台がある」「芋判をつくる」「太鼓をたたく」という感じであろうか。そこでは、生徒自身、自分がやりたいことをして過ごす感じである。昼間もやっている公立の児童館のようなである。確かにこのような場所を必要としている生徒もいるだろうし、このような教育を支持する親御さんもいるだろう。目的としては「居場所作り」「学校での傷を癒す」そんなところだろうか。

しかし、新規で不登校ビジネスに参入して、今までと同じようなビジネスをするとすれば、それは正直うまくいかないだろう。既に、昔から行っている所が地位を確立しているし、地方自治体も適応指導教室を運営しているし、カウンセリング系のサービスも学校や自治体で行われている。よく「私も不登校でした。カウンセリングします。」的なSNSの書き込みを何回も見ることがあるが、正直「怪しげ」である、信用できそうなサービスが世の中にはたくさんある。その書き込みをした方は、誠意と熱意をもって「不登校生を助けたい」と思っているのかもしれない。しかし残念ながら、誠意と熱意だけではマーケットには太刀打ちできないのである。




・大手の新規参入はむしろ良いこと

個人的には大手が、この業界に参入することは、生徒側にとってはいいことと感じる。それは選択肢が増えるからである。例えば、学習をしたい生徒にとっては、旧来の典型的なフリースクールは正直あまり満足のいくものではなかったのだろう。しかし、塾が参入して昼間から授業をしてくれるのであれば、その生徒にとっては素晴らしいフリースクールとなる。事実そういった昼間から行っている塾は実在するし、訪問したこともある。

一方で、大手でなければ何も出来ないのか、と言われるとそのようなことはない。一人ひとりが持っている強みは違うし、その強みを生かしたビジネスであれば、大手にも太刀打ちできることができるであろう。そしてその新たなビジネスは、特に「不登校」にのみ焦点を当てる必要もないだろう。私が行っている、在宅留学.comも、アメリカのオンラインスクールでのサービスを売りにしているが、特に不登校生のみを対象にしたわけではない。逆に、これまで一般的な学校に通っていた生徒もウェルカムな学校である。どうしても、不登校関連のビジネスをしたいのであれば、まずは地元の商工会議所などで、創業についての相談を受けるのが一番なのではないか。




のぶしのてらこや
ホームスクールプラスα
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